投稿者:蹴人  さん

タイトル:睨む怨霊

 

あれはまだ自分が中学生の頃でした。

夕方下校途中にある某地方銀行の駐車場の前を通りがかったとき、

背中から全身に広がるような悪寒を感じました。

瞬間的に後ろを振り向くと赤子を抱いた主婦らしき女の人がじっと

自分のほうを睨んでいるのです。その顔は生気がないというか

血の気の引いた感じで真っ白で、目がすごくつり上がっていたのを覚えています。

表現しにくいのですが、その目は普通の人の感じではなく、間違いなく憎しみ、

恨みに満ちた目でした。自分は本能的に「ここに居てはいけない」と思い、

振り返ることなく一目散にその場を走って逃げました。あの時の嫌な感じは

十年経った今でも忘れることができません。以後その場所は避けて帰るようにしました。

今となってはその女の人の素性を知る由もありません。